20180109

黒塗りメイクは黒人に対する侮辱。マスメディアは人権についてもっと勉強してほしい。

日本はまだまだ人権後進国だということを思い知らされることは多々あるが、これほどまでとは思わなかった。

BBCの記事ページより
Japanese TV show featuring blackface actor sparks anger(BBC 2018/1/4)(日本語版記事はこちら→日本の大晦日お笑い番組で黒塗りメイク 怒りと反発も(BBC日本語版2018/1/5)

テレビは見ない(テレビ自体所有しなくなって十年ほどになる)ので、年末の特別番組のことは全く知らなかったが、BBCのニュースで目にして唖然とした。ダウンタウンの浜田雅功氏が顔を黒く塗るという、国際社会ではタブーとなっているネタをやったらしい。BBCでは「顔を黒く塗り黒人を風刺するいわゆる「ブラックフェイス」は、きわめて侮辱的な風習だと広く受け止められている。」と説明されている。

ニューヨーク・タイムズでも「日本人のコメディアンが顔を黒く塗って、多くの人々を激怒させた」と記事になっていた。
Japanese Comedian Who Used Blackface Comes Under Fire Online(By Megan Specia on The New York Times 2018/1/4)
記事で紹介されている外国の方からのツイッター投稿では「Is Japan the only country that doesn’t know that Black Face is UNACCEPTABLE and RACIST」(日本は、ブラックフェイスが許容できるものではなく、人種差別であるということを知らない唯一の国なのだろうか)と書かれている。

NYTの記事によれば、顔を黒く塗るネタをやって国際社会から非難を浴びたのはこれが初めてではないという。2015年にポップ・グループのももいろクローバーZとラッツアンドスターが顔を黒く塗ってカラフルな衣装と手袋をはめた写真をパフォーマンス前に公開して物議をかもし、抗議のオンライン署名も集められた。そこで学んでいるはずなのに、またも同じ過ちを繰り返すとは、テレビ番組を作る人たちはテレビ番組が社会に与える影響の大きさを自覚して、放送倫理をもっと学ぶべきだと思う。

BBCの記事の中では、日本に住んで13年になるコラムニストのバイエ ・マクニール氏がツイッターに投稿した、黒人であることはお笑いのオチや小道具ではないというコメントが紹介されている。日本を愛しているとも述べられていて、日本が好きだからこそ、国際社会に恥さらしになるようなことをしている日本のテレビ番組を残念に思っているのだと思った。外国のメディアで日本の話題を見かけることはそんなに多くないのだが、こういう「日本、大丈夫??」と思わざるを得ないよう残念なニュースが海外で報じられていることが最近は多すぎて私も残念に思う。

日本には黒人に対する人種差別はないという意見も見られたが、それは違うと思う。最近でも、 山本幸三自民党衆院議員・前地方創生相がアフリカについて「何であんな黒いのが好きなのか」という発言をして問題になった

マスメディアというのは、多くの人に見られるものであり、それによって社会の固定観念が形成されている面もある。だからこそ、人種差別や性差別、暴力など、倫理的に受け入れられないものは極力避ける努力が求められる。個人がおしゃべりするのとはわけが違う。知らないから許されるというものではない。

悪気がなかったとか、知らなかっただけでおもしろくしたかっただけ、という言い訳は通用しないと思う。これによって傷つく人だっている。人を傷つけなければ笑いが取れないなら、お笑いなんかいらないし、笑いやユーモアは本来、心を和ませたり、勇気づけたりするものだと思う。差別や暴力をいれないと笑いが生み出せないのは努力不足ではないだろうか。

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