20160303

男性が家事をするのが、女性と同じくらい普通になったら、命を大切に考えられる男性が増えてくるのではという仮説

【旧暦睦月廿五日 雨水 末候 草木萌動(そうもくめばえいずる)】

昨日までの記事に書いたような男女の役割に関する固定観念について、相方と話していたら、相方がとても重要なことを指摘しました。

男が外で働いて、女が家の中で家事をするものという固定観念が日本ではまだ根強いです。

共働きで女も外で働いていても、男は家事を免除され、女が家事をするのが当然、という現代社会に主流の固定観念があって、男は食事をつくることはイレギュラーなこと、とされているから、健康な身体をつくるには何を食べたらいいのか、何をしたほうがいいのか、男はわからない。

だから、食の問題や放射能汚染に女性が気づいて、子どもと家族を守るために、より安心できる選択をしようとすると、男性と意見が合わずに、家庭崩壊につながったりしてしまう、というような指摘だったと思います。

男性は本当に、「どうして?」と思うほど、食に無頓着な人が多い。もちろん、全員ではないですし、徹底的に気をつけている男性や、情報通の男性も知っていますが、一般的に見て、割合はものすごく少ない気がします。

映画「小さき声のカノン」(感想12)でも、子どもたちを被ばくから守ろうと必死になっているのは女性が圧倒的に多かったです。まわりでも体感的に女性が圧倒的に多い。男はなんで健康を、命を大切にしないの?

農薬や化学物質、放射能汚染、電磁波など、さまざまな社会の毒から家族を守ろうとする女性を、「非論理的」と言って攻撃する男性もいます。ジャンクフードや、毒々しい色の食べ物を子どもに与えているお父さんを見かけるとぞーっとするし、そういうお父さんに困っているお母さんの悩みもよく見聞きします。

「子どものことが大事じゃないの?」
「命が大事じゃないの?」
「なんでそんなことするんだろう?」
と、いつも不思議でならなかったのですが、男性は日常において、食や命について考える機会が、女性に比べて圧倒的に少ないため、考えることができない、あるいは、どう考えていいかわからないのかもしれません。あるいは、わかる必要がないと思っている?

そういう毒を怖がるのは、男のすることではない、という強がりもあるのでしょうか。(*これについては過去にも→[5段落目])。「そんな毒、俺には通用しないよ」というマッチョな自信なの? そんなことを根拠なく言い切るほうが非論理的に私には思えます。放射能汚染や農薬の情報に触れているはずなのに、「僕は(放射能)怖くないですね」「添加物?気にしませんね」と言う男性もいて、もんのすごくびっくりします。

「君子危うきに近寄らず」という格言がありますが、避けられるものは避けるのが賢明というもの。マッチョぶって病気になったら何にもならないんじゃないの?

男性がもっと家事を普通にする世の中になったら、普段の生活の中で、お金よりも命のことを考える時間が増えていくので、命を大切に考える男性も増えていくような気がします。

女性を家事から解放しろ、ということではなくて、女性が家事をするのが当然で、男性が家事をするのは女々しいとか、そういう女と家事を結びつける(さっきから女と家を並べてたら「嫁」に見えてきた・・・嫁って言葉の恐ろしさを再認)考え方に縛られるのではなくて、男性も一人で生きていたら家事はするんだから、平等によく話し合って、お互いに納得のできるスタイルを見つけていったらいいんじゃないかと思います。

うちは相方といつも共同作業なので、同じ知識レベルで食べ物の話ができて、ものすごく楽しいです。買い物に一緒に行くのも楽しくて、旅行に行ったら決まって、地元のスーパーや産直を覗いて、地元の人の食文化を見るのも二人で楽しんでいます(*)。畑に何の種をまこうか考えるのも一緒にできて楽しい。何を食べたら健康になれるかも二人でよくディスカッションするし、食べてみての実験結果をお互い見ながら食を変えていっているので、食のことでケンカになることはまずありません。

食の問題は、環境問題にもつながっていくし、世界の飢餓の問題、労働搾取にもつながっていく。
食に向き合うことは命と向き合うことです。相方は男ですが、家事を通じて日常的に命と向き合っている。なので、ものすごくバランス感覚がよいです。いいものを食べているから、頭のキレも良いし、ユーモアもある。いつもハッピーでおおらか。

もし私が先にこの世を去ったとしても、相方は健康的に生きていけるという安心感もあります。150年くらい生きる気でいますけどね。

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