20160312

「田中龍作ジャーナル」の震災5年の記事から。「ウソが大手を振って歩くようになった」。ウソがわかる人も増えました。

さっき、東日本大震災から5年と題した記事を書きました。

いろいろ調べていて発見した田中龍作さんの震災5年の記事が素晴らしかったのでご紹介します。
原発事故から5年 ウソが大手を振って歩くようになった(田中龍作ジャーナル 2016/3/11)
お恥ずかしい話、私は震災後すぐに目が覚めたわけではなかったのです。原発事故後、2週間くらい東京から和歌山に避難しましたが、戻ってきてからは「まあ、食べ物に気をつけてたら大丈夫だろう」「昆布食べまくってたら大丈夫だろう」「イソジン飲めばいいって話だけどどうしよう?」とか、そんなレベルで、政府が真実を語らないことや、マスコミが政府のチェック機能を果たしていないこと、原発の問題などなど、さまざまなことについては、1年後くらいになってようやく知識が追いついてきて(まだ追いついていないような気もする)、遅れてショックがやってきました。

イソジンの話は、有名な環境ジャーナリストの方がメルマガで言っていたのを、環境問題関係の仕事の経験が長い知人が教えてくれたので信じそうになりましたが、身体さんが「いやー!絶対無理!イソジンって何でできてるか知っとんのかー!!」と拒否反応を示していたので、身体さんの声に従いました。後日、デマだったことがわかったので、身体さんの声と直感ってすごい、と思いました。また、発話者の肩書きや経験だけで判断しては危険というのも学びました。

前述の記事にある、
放射能が飛び散るように、マスコミの実態は広く社会に知れ渡った。事故発生当時、東電の勝俣恒久会長が記者クラブを引き連れて中国旅行に出かけていたことは、その象徴でもあった。
記者会見で田中の質問に勝俣会長は「旅行費の大半を東電が持っていた」ことも認めた。しらばっくれると思っていたが、予想に反して事実関係を すんなり 認めたことはさらに驚きだった。
については、今初めて知りました。なんか、もう言葉が出ません。原発事故について、東電に都合の悪い報道をしないように、記者クラブ(政府や公的機関などからの情報は記者クラブにしか配信されないこともある。小規模メディアやフリージャーナリスト、海外報道機関は排除されている)を中国旅行に連れて行くなんて、汚すぎます。会長さんは事故の対応もせずに、海外旅行? 住民に避難指示は出さずに、海外に避難していたの? こんなときに誘いに乗ってほいほいと旅行に行くマスコミもひどい。
「コンクリートから人へ」を掲げて政権に就いた民主党は、マスコミ同様電力会社に頭があがらなかった。「電力総連」は民主党の支持母体である連合の主導権を握る存在だ。
これも、そういうことだったんだなぁ。民主党にはいい仕事をしてくださっている議員さんもいますが(例えば玉木雄一郎さんや山尾志桜里さんなど)、参議院選までに民主党は変われるんだろうか?

すでにさまざまなことを知り尽くされていた田中龍作さんには、この5年がこんなふうに見えるんだなぁ。

私は全く知らないことだらけだったところに、震災があり、あとになって次々に新しいことを知って、ショックの連続。今までの自分の無知や、この国の主権者である一国民としての責任を果たしてこなかったことなどを悔やんで、本もたくさん読み、自分で情報を取りに行き、さまざまなメディアを比較するようになり、自分でも発信をするようになりました。

さまざまな情報に触れるなかで、買うものの選択も変わりました。企業を支えているのはやっぱり消費者だから。原発メーカーからはいっさい買いません。武器輸出メーカーからも。生活で選択でのインパクト、発信のインパクト。小さくてもコツコツ、積み上げていったら大きくなるんじゃないかなと思って、この数年を過ごしてきました。

この数年、少しでも遅れを取り戻そうと情報収集を始めました。原発の問題だけでなく、TPP、遺伝子組み換え、基地の問題、オスプレイ、貧富の格差、社会福祉の切り捨てと戦争の関係などなど、本当に多くの問題と、それらが根っこではつながっていることを知りました。それらがわかってきたので、今は、「ウソが大手を振って歩くようになった」の意味がわかります。

今日は母と電話で話していて驚きました。ネットを全くしない母ですが、安倍政権のウソ、原発のウソを鋭く見抜いているのです。実家でとっている新聞は、ジャイアンツファンの父の独断で、ずっと読売新聞なのに。私がいろいろ話してきたおかげももしかしたらあるのかなぁ、なんて思いました。

ウソを見抜けるようになった人たちも多くなったんじゃないでしょうか。これからは、ウソを見抜けるようになった人たちが、デモや署名などで声を上げる、マスコミを厳しくチェックして、育てていく、質問力や調査力に優れていたり、国民の声をきちんと聞ける議員さんを応援していく、大企業の声ではなくて市民の声を代弁できる議員さんに自分が立候補するor応援して増やすなど、アウトプットというか、行動につなげていくフェイズに入っていくときなのかな、と思います。

すぐにデモは厳しい・・・という人ももちろん多いと思います。私もまだちょっと苦手です。叫ばなくてもいい気軽に参加できる大デモみたいなかっこいいスタイルのデモがあるといいのですが・・・。主催する勇気もまだありません・・・。こういう活動は続けられることが大事だと思うので、自分に合ったやり方を探るのも大切だと思います。

身近な人と政治について語り合うだけでも全然違うと思います。実名での発信に抵抗があったら(私も匿名にしています)、匿名のブログで考えていることや、知ったことを発信するのもいいと思います。つい最近も、匿名のブログが大きなうねりにつながりましたね(「保育園落ちた日本死ね」と苦しみを綴った母親のブログを、民主党の山尾しおり議員が国会で取り上げ、自民党からの「誰が言ってんだよ」のヤジに、「保育園落ちたの私だ」と書かれたプラカードを掲げて国会前で抗議。オンライン署名も)。個人の発信の積み重ねと広がりが、世の中を大きくいい方向に変えていけると思います。

最後になってしまいましたが、忘れてはいけないことがありました。田中龍作さんみたいに命がけで真実を伝えてくれているジャーナリストさんたちを金銭面で応援していくことも早くできるようになりたい。こんな素晴らしい記事をタダで読ませてもらって申し訳ないです。お金をもっと稼ぎたい。