20150815

戦後70年の日本で―中学生の会話と書店員さんの心意氣

【旧暦文月二日 立秋 寒蝉鳴(ひぐらしなく)】

最寄りの駅で電車を待っていたら、横に座っていた女の子が、お友だちの女の子と、こんな話をしているのが聞こえてきました。

「安倍晋三ってすごくね? だってさ、戦争しようとしてんだよ」
「◯◯くん(たぶん同級生の男の子)、俺も戦争行かなきゃいけないなんて、やだーって言ってた」
「私、これだけは女に生まれてよかったよ」
「えー、女は強制労働かもよ。『働け!働け!このメス豚どもが!』ってさ」
「命奪われるよりましじゃん」

2人の女の子は、中学生くらいに見えました。私が中学生のときは、好きな音楽やドラマの話をよくしていたような気がします。こんなことを話すような世の中ではなかった。10代でこんな心配をしないといけない世の中なんて、本当にひどい時代だと、聞いていて悲しくなりました。大人は一体何をしてきたんだろうか、何をしていけばいいんだろうか。早く安倍政権が終わって、智慧に溢れた人格者が政治を担う時代を創っていけないだろうか、と思いました。

大人たちのなかには、自分の持ち場で、平和のためにできることをしてくれている人たちもいます。近所の書店に行ったら、「戦後70年」を期に、平和を考える書籍を展示するコーナーができていました。

井上ひさしさんが文章を書いて、いわさきちひろさんが挿し絵を描いた『井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法』や、
井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法 (シリーズ 子どもたちの未来のために)

ベストセラー『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』で有名な矢部宏治さんの新刊『戦争をしない国 明仁天皇メッセージ』など、

戦争をしない国 明仁天皇メッセージ

良書がずらっと並んでいて、書店員さんの心意氣を感じました。平和を実現することは、長い道のりなので、無理をせずに、この書店員さんを見習って、自分の立場だからこそできることをこつこつと、地道にやっていくことが大切だと思いました。この2冊を買ってきて読んでいます。どちらもとても良い本でした。ぜひ読んでみてください。

憲法は変える・変えないを議論する前に、まずは読んでみてほしいです。私は改めて読んで、こんな素晴らしい憲法がある国に生まれてよかった、これを守るためには国民に保障された権利をきちんと使っていかないといけないし、みんなに伝えていきたいと思いました。

『戦争をしない国』のほうは、平成天皇の明仁天皇の言葉に、背景となる事実などの解説が添えられた本で、天皇の人生に心が痛みました。苦しみのなかで貫かれる平和を求めるメッセージに感動し、主権者である国民の1人として、平和のためにできることをしっかりとやっていきたいと思いました。

今日で戦後70年。平和はどうしたら創っていけるんだろう、維持していけるんだろう、ということをよくよく考えたいと思います。